あのころ

「あのころ」
大切なものを
持ち続けたいと思っても
自分の手から
蒸発してゆく
それを少しでも遅らせてくれるのは
本を読むことだと思う
大切な人がいて
その人から流れてくるあたたかなものは
ずっと受けとれると思っていた
自分から流すものも
伝え続けられると思い込んでいた
その人と共有した心のふるさと
同じところにいるよりも
ふるさとを抱きながら
流れたほうがいい
記号みたいにはなりたくないけど
思考し続けられるほど
恵まれてもいない
挑戦し続けてきた先人たちに
ほほ笑みかけてもらえるように
流されながらも歩き続けたい
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