一条美由紀さん個展「方舟の乗客名簿」を拝観しました。人の無意識と意識の狭間から、視覚的に発信される言葉にできないイメージに、シンクロしてしまう作品の数々で、感動しました。挑戦されている彼女の情熱に胸があつくなり、こみ上げるものがありました。一条さんの作品からは、人の集団生活をおくるときの倫理観による表面的な社会性と、人の抱える内なる宇宙(内面の世界)とのバランスのようなものが描かれていることを汲み取ります。生きていての苦しみや、闇が深いからこその光の強さを感じとりました。言葉から伝えられる詩的表現にも胸うたれました。人が内なる自分から出られずに主観として外の世界を観ているように、人間生活の社会性の外に、もしかしたら生涯出られないのが集団として夢をみるように生きることなのかもしれないとも思いましたが、それは私のあくまでの別話しです。「作家は生き様が作品にでるからね」笑顔でそう話す彼女の制作への情熱が、作品から鮮やかに発信される色濃い展示を拝観できてとても感動しました。
一条美由紀さん 個展 「方舟の乗客名簿」2024.05.23 木〜 06.08 土 11:00-19:00日祝休廊 Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi
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