お名刺の制作に携わりました

フルーティストとして演奏活動をされている  和田 信吾 さんのお名刺の制作に携わりました。

私は、和田さんの奏でる音楽のファンで、演奏会に伺った時はイラストを描かせてもらっているのですが、その絵を気に入ってくださり、お名刺の制作にお声がけいただきました。

私のデザインのクライアントワーク制作は、クライアントとなるお客さまの活動への想いや、好みなどを丁寧にヒアリングすることからはじめるので、制作途中のプロセスは、二人三脚のようなイメージでの共同作業となります。

今回、和田さんとの共同作業をご一緒させていただき、制作の過程でたくさんの学びがありましたが、

更に、制作プロセスを「事例」として制作ストーリーのような文章にしてご紹介の機会をいただきました。

この「事例」文書についても、私の拙いメモ書きから、伝えるための文章へと和田さんに丁寧に校正していただき、とてもお世話になりました。

ご厚情に心より感謝申し上げます。

私が携わります、デザインのクライアントワークの一場面にもしご興味ございましたら、ご覧戴けましたらと思います。

恐れ入りますが、長文です。

(画像と文章にはご本人さまの承諾を戴いています。)



●初めの打合せ(ヒアリング):レストラン

クライアントとなる和田さんの活動を知ることを大切にしました。 和田さんのライブでの演奏を聞いていて、自分なりのイメージは持っていましたが、和田さんの「言葉」を受けとめたかったからです。 和田さんが演奏に表現しているものはおそらく「氷山の一角」で、活動全体の目標・理念が骨格となり、そこから膨大な量の目に見えないものが培われているだろうと思っていたので、それを意識的に感じ取ることを大切にしました。 そこからデザインコンセプトのアイデアを導きたいと考えました。

●感動した言葉:「聴く人の心を揺らす」

和田さんとの会話で、「表現は受けとってくれる人がいてこそのものだ」ということをお聞きし、私もクリエイターとして共感しました。 「音楽は、緊張したり生活に疲れたりして鈍くなった人の心を揺り動かし、柔らかさを取り戻し心を健康にするものなのではないか?私は自分の演奏活動でそれをしたいのです」と活動理念を聴くことができました。 「子供の頃から何十年も演奏をしてきたけれど、ようやく最近言葉にできた」とおっしゃっていたことが、とても強く印象に残りました。

●イメージ出しと制作作業: コンセプトから3つの案を導きだす

私が感じていた和田さんのフルートの音色のイメージは、「幾何学的な美しい造形に水の流れが融合したような」ものでした。 それを元にほとんど直感的に、言葉とビジュアルをイメージしました。 第1案、第2案と、そのイメージをアウトプットしましたが、そのまま追求していくことは、なにか違うような気がしてきました。 音色のイメージから離れて、和田さんの活動理念、お名刺の活用タイミングを考えて、「聴く人の心を揺らす」和田さんの活動のお手伝いの一助になるデザインをもう一度考えてみました。 第3案は、「音楽( メロディ) の流れ」「水が沁み透っていく水彩表現」「あたたかな色( 暖色)」をキーワードに、イラストと色の印象を導入部分として文字情報に視線が流れる紙面構成をデザインしました。 私が和田さんの演奏に「幾何学的なイメージ」を持つのは、技術的に鍛錬された演奏を美しい造形の様に感じるからではないかと思います。そのイメージを、背景のフラクタルな色面構成に表現しました。

●3つの案のご確認:レストラン

3つの案のご確認には、対面での打合せをお願いしました。直感的に選んでほしかったからです。 非対面でのご確認の場合、それぞれの案のコンセプトをご説明してからクライアント様が決断するまでに時間を掛けてしまう可能性があります。 そうすると「頭で考えて選ぶ」ことになりますが、今までの経験からあまり良い結果にならないことが多いのです。 また、非対面ですと3つの案を見た時のクライアント様の微妙なボディメッセージも受け取れません。 なので、私はできるだけ、案の選択には対面での打合せをお願いしています。 和田さんからの率直な感想と、修正希望も承ることができました。

●ブラッシュアップ:ご希望の案のデザインをお選びいただき、表面・裏面の制作

基本となるデザイン案をお選びいただいたので、そのスタイルで表面・裏面を制作いたしました。 書き出した画像をデジタルデータで送り、和田さんにご確認いただいて、さらに加筆・修正の作業を進めました。 プロフィール文などの文字情報も重ねて校正し、お互いのやり取りのなかで、調整をしていきました。

●仮印刷した紙面による最終確認:対面で、仮印刷した紙面の色合いや文字情報などを確認

印刷屋さんで印刷したものは、画面で見るものや私が自宅で印刷したものとは色合いや文字の具合などが違います。 そのため、完成したデータから本格的な印刷を頼む前に、仮印刷した紙面でご確認いただきました。 (※対面が難しい場合は、仮印刷の紙面をご郵送しています。)

●仮印刷にOKをいただき、印刷屋さんに本印刷データを入稿 ⇒ 納品

●名刺のデザイン制作を通じての、私の自問自答

・和田さんのお名刺の仕事に携わって、問題を解決できたでしょうか?

・新しい可能性を生み出すアプローチの一助になれるようなデザイン仕事の成果を、ご提案できたでしょうか?

・コミュニケーションデザインにとどまらない、クリエイティブに貢献するデザイン仕事ができたでしょうか?

・すみやかで、自然な情報の伝達に貢献できたでしょうか?

●和田さんに訊いた、お名刺制作をわたし青木に依頼してくださった理由について

「フルーティストとしての名刺は以前から作りたいと思っていて、名刺作成サイトでテンプレートも探したが、気に入ったものがなかった」 「私のライブの様子を描いた青木さんの絵を見て、あんなにカラフルな名刺を作ったらめちゃくちゃかっこいいだろうと思った」

●振り返り

今回のお名刺制作の仕事が、和田さんの演奏活動の一助として貢献できるかどうかは、これからのお名刺が生み出す交流のなかに現れると思います。 私は和田さんの演奏のファンなので、貢献できるととても素敵だと思っています。 デザインの生み出す夢を信じて、これからも制作に励んでまいります。

 

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