
実家の庭に訪れていた春… 実家の家から、父を頼まれた気がした。父がずっと守ってきた家。見回りをあれやこれやしながら、言葉にならない非言語のコミュニケーションを私たちと家とは交わしたのだと思う。
梅のつぼみが膨らんだり、丈の低い水仙の芽が土から顔を出したり、咲き終わった蝋梅が黄色くくすんでいたり、母が植えたミントが根強く野生化して越冬していたり、庭に春が訪れていたのをひとつひとつ確認しながら、私は実家の家と受け渡しというか、バトンを渡されて、心のお別れをして来たように思う。
私が家を出て9年、今思い返しても、あそこはこうなっていて、、、ここにはこの思い出があって、、、と丁寧に思い出せる。私たちが実家の家に住むことはもう、ない。私たちをまもってくれた、実家の家。「ありがとう」「おつかれさま。」
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